気紛歌詠   霜月楓

下にいくほど、過去に書いた作品です。



無題16

●君の背に凭れてうたたねする時間私は好きよ君の次にね

●傍にいてくれるだけでも構わないそれで元気もらえるんです

●好きだよと言っても本気にとられない「友達以上」は「恋人未満」

●君の声電話で聴きたくなりました0時直前まだまだOK?

●君と逢う楽しい時間すぐ過ぎて別れの列車到達時刻

●新品の靴買い歩く帰り道財布も足も痛くなってた

●調子乗り散々買い物した挙げ句請求書来た給料日前

●久々に財布の中見て驚いた諭吉集団いずこへ消えた?

●そういえば二千円札最近は職場ですらも見る機会ない

●楓さんおはよう今日も可愛いね。「服が」と続く邪気ない言葉

《コメント》
年末年始に買い物し過ぎてちょっと反省。財布のひも締め直さなきゃ〜。
最後の歌は、私の可愛い後輩の朝の挨拶・実話です。ものすごくタイミング良く「服が」と続いたので大爆笑した記憶が。


無題15

●逢える日を指折り数え待ち焦がれそんな時間も大好きなんだ

●逢えなくて声聴けなくて淋しくて禁断症状重症でしょう

●仕事終え携帯開く17時新着メールに君の名探す

●返信はいらないからねと追記する返信ちょっと期待してても

●たまに逢う君の笑顔が嬉しくて心踊らせ向かう改札

●君がいる今この時が至福だと思うだけでも幸せ感じる

●話しても話してもまだ足りないの伝えたいこといっぱいあって

●言葉には出さない私の気持ちすらきっと君にはバレてるんだね

●じゃあまたね笑顔で手を振る深夜二時テールランプ見えなくなるまで

●親離れ出来ても私君離れ一生出来ないそんな気がする

《コメント》
「恋するオトメ」的な感じでしょうか(^_^;)
でも実際は、月例会の帰りに思い付いた歌たちだったりします♪


無題14

●花弁舞う春花彩る並木道君を見つけて私駆け出す

●駆け寄った私を一瞥・即無視と関心示さぬ君の背中

●おはようと声を掛けても知らん顔眼中にないこと知ってるよ

●それでもねそのクールさが好きなのと告白しても変わらぬ態度

●歩くあと鼻歌うたい付いてくと呆れたように君振り返る

●いい加減付いて来るなと不機嫌に君が睨んだ桜木の下

●君の背に舞い落ちた花桜色振り落とすなんて勿体無いよ

●陽の光浴びて眩しく目を細め君を見遣ると私見ていた

●君の傍今だけ寄っていいですかついでだから抱き締めさせて

●抱き上げた腕中の君にゃごにゃごと抗議して来たけど気にしない

《コメント》
今回もまたストーリー的短歌です。そしてネコです。大好きです。(告白)
「君」=「ネコ」な訳ですが、分かりづらいですかねー(^_^;)


無題13

●よしよしと私の頭を撫でる手は不満だけれどちょっぴり嬉しい

●カノジョへの昇格夢見て今年こそバレンタインに勝負をかける

●貴方への想いを込めたチョコレート当日家に忘れてしまった

●心から愛する人は貴方です言わなくってもきっとバレてる

●「お疲れ」とメールもらって微笑んだ 一言だけで伝わるキモチ

●君がいていつも笑ってくれるなら何でも出来るそんな気がする

●君の背に人さし指でメッセージくすぐったいと言いつつ照れてる

●美味しいと笑う貴方が眩しくて紅茶の味が分からなかった

●春が来て菜の花咲いたら出掛けよう初めて逢ったあの高原に

●頬寄せてきゅっと優しく抱き締めたもう離れない貴方の傍から

《コメント》
2月〜3月辺りをイメージして詠んでみました。ちょっと無理がある?(笑)
でもこれでようやく「ほのぼの系」が出来ました〜♪


無題12

●平凡な日常なんてと言いながらその日常を羨んでもいた

●シアワセな主婦当然の如く言う仕事出来ても仕方ないでしょ

●いい加減そんな所辞めろよと日々聞かされる存在否定

●蜘蛛の糸縛られ人形言いました世間体サン結婚シマショウ

●口開きゃ二言目にはケッコンと他に何か言うことないのか

●ブチ切れて喚けば楽になるだろう優等生面そろそろ厭きた

●殺してと縋る声が耳障り死ぬ気ないのに悲劇の主人公(ヒロイン)振るな

●君はもうこの世に未練などないと未練がましい目をして叫ぶ

●苦しんで足掻く姿が滑稽で高笑いして踏み潰してた

●もう何も考えたくないだから喉冷たい刃で花を咲かせた


《コメント》
ラスト2つがHACメンバーに「怖っ!」と好評でした(笑)



無題11

●何よそれそんな言い方しないでよまるで私が悪者じゃない

●私なり色々君を気に掛けていたんだけどな気付いてないよね

●心境は分かってるけどお願いよもっと空気読んで欲しいな

●ふてくされ何をメールに打ってたの尋ねる気すら失せてしまった

●ヤケになり無理をしたって結局は後で困るの君だけですよ

●良かったねあの人この場に居なくって居たら決定打になってたよ

●満面の笑みで死刑宣告をしたら君はどんな顔する?

●ムカついてたって私は笑えるのそれが特技よ悲しいけれど

●狭量じゃないつもりだけどいい加減君を見捨ててしまいたくなる

●分かってるだろうけれど言っとくわ仏の顔も三度までだよ


《コメント》
「無題8」のコメントで宣言してるくせにいつになったら(以下略)
いろんな人がいますよね、ってことで(
^_^;


無題10

●「もう少しバカにならなきゃ可愛げない」デキる女はお嫌いですか

●去って行く君に届かず落ちた声気付かれぬ内踏み消していた

●「傍にいて」ただ一言が言えなくて君の足音遠ざかってく

●嘘ばかりつかないでよね知ってるの他に好きな娘いるって事は

●傍にいてくれれば何も要らないと思う殊勝な女じゃないの

●嘘笑いばかりで表面繕ってほんとの思い君に見せずに

●さびしいと言いたいけれど言えないの変なプライド邪魔してしまう

●ごめんねと微笑む君が悲しくて何も出来ない事が悔しい

●もういいよ無理に笑顔見せなくて泣いたっていい僕の前では

決別(さよなら)の握手をしよう君と僕それで茶番劇が終幕(おしまい)

《コメント》
7か月振りの「気紛歌詠」の更新がこんな歌ばかりってどうなんでしょう……って、あまり前と変わってないか(笑)
「無題8」のコメントで宣言してるくせにいつになったら「ほのぼの系」を詠む気なんでしょう、私。
…だって徹夜ウィーク中はカルシウムが不足するのか、いつも「虫の居所悪いの?」って歌が多くなるんですもん〜! ←とか言ってないでちゃんと仕事しろ私。…ええ、全部仕事中に浮かんだ歌です。(をい)


無題9

●帰り道瞳を閉じて君想う不安と期待(さざなみ)となり

●愛し君浮かべば胸より溢れ落つ想いよ届け流れ去ぬ内

●頬伝う雫は何時(いつ)しか冷えきったまるで今の二人の様に

●天からの祝福二人に降り注ぐ六月花嫁(ジューンブライド)永遠に幸在れ

()の届く世界に生きて居られない我が在るのは是の()の世界

●是の愛と引き替えにして火に焼べた二度と戻らぬ幼いあの日

●夏の夜に抱き締められて眼を閉じた瞼に浮かぶはあの日の炎

●この胸に熱く燃ゆるは恋火花身を焦がす迄燃やし尽さん

●立ち昇る炎を何と呼ぶべきか愛情熱情それとも嫉妬

●煉獄の火に焼かれても構わない是の罪背負う覚悟は在るの

《コメント》
「無題8」のコメントで「9はまたほのぼの系で行きましょうかね♪」と書いておきながら全然ほのぼのしておりませんが。(笑)
今回は「水」と「火」で。両極端の歌にも関わらずどちらも激しいのは何故でしょう(笑)


無題8

●愛想良く笑っておけばいいでしょう。あなたの扱いその程度です。

●好きですと言った覚えもないけれど何勘違いしてるんだろう

●勘違いしないでほしい私はねあなたのことが嫌いなんです

●いつだって笑ってる私だからって怒ってないと思わないでね?

●思い付く限りの悪口雑言を心でわめき慈愛の微笑み

●君の背にそっともたれて呟いた言葉はちゃんと伝わったかな

●この身さえ犠牲にしても構わない君が生きてくれるのならば

●いつまでも君の傍にいたかった小さな願いもう叶わない

●声あげてないた夜も懐かしい思い出だって言い切れるかな

●いつまでもこの唇が覚えてる君のぬくもりあの夜のこと

《コメント》
今回は両極端な歌を5首ずつ。どちらもフィクションですが。ええ。(笑)
前半だけ10首詠むと、さすがに楓の性格が疑われそうですし。(もう疑われてる??)
後半だけ10首詠むと、何だか淋しい気分になりそうですし。
「無題9」はまたほのぼの系で行きましょうかね♪


無題7

●本当はあなたのことが好きでした伝えられずに終わったあの日

●後悔をしたくないから今日こそは一世一代大勝負です

●チョコだけが気持ちのカタチじゃないけれどあたしの想い君に伝わる?

●何作ろうページめくって考えるケーキ・クッキー・ブラウニーかな?

●だけどよく考えたらばあたしってまともに料理作れなかった

●初挑戦したチョコ結構デコボコでハートのカタチにならなかったの

●チョコを見た君は小さく苦笑した「これもしかしてハートだったの?」

●だけどすぐ君は返事をくれたよね「彼氏彼女もいいかもな」って

●次の日にチョコの感想聞いたけど君は何故だか目を逸らしたね

●大好きな君と一緒にこれからもいたいだなんてワガママかなぁ?

《コメント》
今回のテーマは時事ネタ(?)でバレンタインです。ざーっと砂を吐いてお読み下さい。(笑)
料理ができない女の子のお話で今回は作ってみました。またもお話になっておりますvv
ラスト…私だったら「ワガママだよ」ときっぱり答えますね〜まずは彼氏が困らない程度の料理が作れるようになりましょう(笑)


無題6

●朝起きてふと目をやった窓際のバジルそろそろ摘み時かしら

●冷蔵庫覗いた途端思い立つ そうだ今日こそあれを作ろう

●すぐさまに貴方へメール送ったの「夕方来たらいいものあげる」

●心得た貴方の返信「パティシエさん美味しい紅茶持参しましょう」

●『卵黄を3個分』とのレシピ見て思わず言った「卵白は?」って。

●シナモンやレモンとバニラのエッセンス『適量』一体どれくらいかな?

●あと3分。オーブン前に座り込む 『適度な焦げ目』難しいのよ

●焼き立てのうちに貴方にあげましょう 愛情添えてさあ召し上がれ

●ラッピング綺麗にできたと上機嫌 横の貴方が嫉妬するほど

●ありがとうごちそうさまと笑うからまた作りたくなっちゃうんだね

《コメント》
今回のテーマは「お菓子作り」ですね。久しぶりにほのぼの系の歌でしょうか。
でもこれ全部、土曜の仕事中に浮かんだ歌だったりします。真面目に仕事しろ、楓。(^_^;)


無題5−2

●好きだよと嫌いな人には言えるけど好きな人には「嫌い」と言えない

●勘違いさせてしまってごめんなさい私貴方が大嫌いなの

●何しても分かってくれないそれならばすっぱり縁を切っちゃいましょう

●一度でも心が離れてしまったら修復不可能トワニサヨナラ

●「浮気性」貴方は私に言うけれど違うの誰も愛せないだけ

●思い出は綺麗な小箱に仕舞いましょうそして二人は終いにしましょう

●あふれ出す涙の訳は分からない思い出すのは優しい時間

●お願いよ何も言わずに抱き締めて泣いたらきっと元気になるから

●泣きじゃくる私をそっと抱き締めた君がくれたの笑顔の力

●君になら全て捧げてしまいましょうこの身も心もそして未来も


●君の言う「好き」は私の「好き」じゃない魂胆見えてる笑っちゃうわ

●大好きがすれ違っても好きだよと言ってもきっと届かないよね

●ダイスキがキライになれる方法を知っているなら誰か教えて

●嫌なこと蓋をしても開いても君の気持ちは変わらないかな

●君からのサヨナラ受けてサヨナラと言ったら怒った何でなのかな

●裁縫の糸を切るよに簡単に君を切れたら楽になるのに

●嘘泣きができなくなったこの頃は嘘笑いすることが増えたね

●目を閉じて君を感じるこの時もあの人の顔思い浮かぶの

●心から愛しく思う人はいるそれは貴方じゃないんだけどね

●心打つ言葉は掛けてあげられる心は込められないんだけどね

《コメント》
うーん。何となくストーリーになってる気がします^^;


無題4

●束縛をするもされるも嫌いなのごめん想いに応えられない

●「大空を自由に飛びたい」こいねがう羽をむしられ飛べない小鳥

●こんな時君だったならどう返す? 聞くに聞けない君からの問い

●「忙しい」免罪符にはならないの甘えたくないだから言わない

●強いねとあなたは私に言うけれど強がってるだけ分からないかな?

●苛々が最高潮に達しても笑顔の仮面外せないまま

《コメント》
今回もまた見事にテーマなしです。まさに気紛れ。(^_^;)


無題3

【真冬の向日葵】
 
鮮やかにの世界にて咲き誇るの祝福を受けた御子らよ

【凍てつく太陽】
 
取り返しつかないことは解ってた貴方の優しさ失せた時から

【さゆる空】
 
さゆるに流星煌めく冬空の睦月つごもり凍える星座

【雪だるま】
 
目と鼻と両手作ってできあがり。…バケツの帽子、忘れないでね

【雪うさぎ】
 
赤い目の幼い少女が雪空に願ったものは、たったひとつの……

【南天】
 
南天は難を転じて福と為す それを気にせず啄む小鳥

【水仙】
 
思い出を優しく伝える雪中花 その香に君を重ね微睡む

【粉雪】
 
汚れ無きそらより舞い散る花びらは掌で解け涙と化した

【椿】
 
雪の上紅咲いた如月に散った魂虚空へ消えた

【雪灯籠】
 
暗闇に淡くともった雪灯籠 夢か現か我を誘う
《コメント》
冬をイメージした短歌たちです。
氷と陽、みたいに言遊びできるから日本語って素敵なんですよねvvv


無題2

●無関心すぎると君は言うけれど余計な興味湧かないだけなの

●理想論掲げて御託を並べても実行しなきゃ意味がないでしょ?

●いつ会える?貴方に聞かれて戸惑った 「会いたい時に会う」じゃ駄目なの?

●束縛をしないであたし「モノ」じゃない あたしの自由にさせてお願い

●君からの言葉で一喜一憂をしているなんて、知らないんでしょ?

●横顔に見愡れる私に苦笑い 「夜景見るため来たんだろ?」って。

●さよならの代わりに言いたい「ありがとう」。

●さよならは永遠とわの別れじゃないんだよ だから笑って涙を拭いて

《コメント》
今回は見事にテーマなしです。思い付くまま気の向くままにたらたらと。
前半は、どうも虫の居所が悪い時に詠んだようです(^_^;)


無題1

●心配はしてないんだよ君のこと 大丈夫だって分かってるから

●遅くまで頑張るあなたのことが好き 見守ってるから傍に居させて

●「お疲れ」とメールもらって微笑んだ 徹夜明けに効く清涼剤

●「好きだよ」と前行く背中に呟いた 聞こえないほど小さな声で

●泣きたくてでも泣けなくて背を向けた ここで泣くのはフェアじゃないよね

●私なら心配ないから放っといて 構わないでよお願いだから

●「ごめんね」と言って貴方が抱き締めた震える肩に気付かないでね

●頬寄せた君の体温急上昇 そんなところが可愛いんだね

●「大好き」が私の胸にこみ上げる ねぇどうしたら君に伝わる?

●「愛してる」言葉は要らないその代わり態度で示して貴方のくち

《コメント》
無題と書きつつ……テーマは「らぶらぶ」ですかねぇ。(ひらがななところがミソ。)
連作っぽいけどそういう訳でもないです。
はぁ、でも美猫みたいにはいかないものですねぇ。精進精進。(^_^;)


忘れ物

教科書を忘れちゃったとウソついて 机並べた幼いあの日

朝八時玄関に立ち確かめる 鍵に携帯、定期に財布……


宝物

大好きな貴方に貰ったこの指輪 玩具だけども宝物なの

家族より友達よりも大切なものなどないと言いたい。だけど――

君のこととても大好き 「親友」と そんな言葉で括りたくない


心変わり

いつからか 見えなくなったの不安なの あなたの心 遠ざかってく

紫陽花を笑ってあなたは差し出した 綺麗だからか深意あるのか?


五月晴れ

蒼穹を掴めそうだと手を伸ばし 悪戯笑顔向けてくる君


子供の日

屋根の上 泳いでみたい緋鯉たち

この空にコイたち泳ぐ 子供の日


てのひら

頭脳線現れないかと手を握る


スタート

春風に誘われ巣立つ雛達よ

よーいどん 元気に飛び出す子供たち

新しいスーツを着込み澄ます子に「七五三だね」言うとむくれた


卒業

「さよなら」と言われて首を振る私 「さよなら」じゃなく「またね」でしょう?と。

学舎まなびやが取り壊されると風に聴き 巣立った頃に思いを馳せる


闇夜

闇のに何故泣き止まぬ乳飲み子よ

我の居る病み世の闇夜鬼が棲む


財布

いつだって腹ぺこ黄色い春財布


クリスマス

高らかに聖夜の鐘が鳴り響く

もみの木に飾ろう夢のおもちゃ箱

クリスマス愛しき君は今何処いづこ



ちらちらと砂糖のベール降り注ぐ

灰色の世界に天使舞い降りた

白銀の世界を窓から見てるネコ

雪景色駆け回らないうちのイヌ


愛用品

真冬には手放せないのババシャツが

母からのお下がり空の皮財布


Novel

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